CRM 63製品の機能内訳|どこまでを「顧客管理」と呼んでいるか
最多は顧客管理でなくレポート・分析48製品。案件管理は18製品と最少で、CRMとSFAの役割分担が製品側にも表れています。メール配信63%の中身の幅と、後から効くカスタム項目も扱います。
CRM 63製品に、7つの軸で記述があった数
掲載している CRM・顧客管理カテゴリの63製品について、公式サイトに記述があった数を数えました。
| 比較軸 | 記述があった製品数 | 63製品中 |
|---|---|---|
| レポート・分析 | 48 | 76% |
| 顧客・担当者管理 | 42 | 67% |
| メール配信 | 40 | 63% |
| 権限管理 | 33 | 52% |
| 対応履歴 | 28 | 44% |
| カスタム項目 | 21 | 33% |
| 案件管理 | 18 | 29% |
「顧客管理」より「レポート」が多い
最多はレポート・分析の48製品で、顧客・担当者管理(42製品)を上回りました。名前のとおりの機能より、溜めたデータをどう見せるかを前面に出している製品が多いということです。
これは検討側の関心を反映していると考えられます。顧客の一覧を持つだけならスプレッドシートでもできます。ツールに切り替える理由は「集計が自動で出ること」にあるため、そこを訴求している、という構図です。
メール配信が63%あることに注意する
40製品と3番目に多く、CRM の標準機能に近い位置にあります。ただし中身は幅があります。
- 一斉配信だけ。登録した顧客全員、またはリストを選んで一度送る。
- セグメント配信。属性や行動で絞って送る。
- ステップメール。登録日を起点に、日数を空けて自動で送り続ける。
比較表の○はこの3つを区別していません。見込み客を育てる目的なら、一斉配信だけの製品では足りません。MAカテゴリの「ステップメール」軸は35製品中10製品と少数派で、この機能自体がどこでも持っているものではないことが分かります。
案件管理が29%しかない
7軸のうち最も少ないのが案件管理でした。63製品中18製品です。
これは CRM と SFA の役割分担を示しています。CRM は顧客を軸にした台帳、SFA は案件を軸にした進捗管理、という分け方が製品側にもあるということです。参考までに、SFA カテゴリでは案件パイプラインが78製品中31製品でした。
| やりたいこと | 見るカテゴリ | 該当する軸と製品数 |
|---|---|---|
| 顧客と対応履歴を残したい | CRM | 顧客・担当者管理 42/対応履歴 28 |
| 案件の進捗を追いたい | SFA | 案件パイプライン 31/売上予測 31 |
| 見込み客を育てたい | MA | シナリオ配信 22/スコアリング 20 |
両方を1つでまかなおうとすると、候補は急に狭くなります。CRM で案件管理まで持つ18製品か、SFA で顧客管理まで持つ製品か。どちらを軸にするかを先に決めてください。
カスタム項目は33%——後から効いてくる軸
21製品と、思ったより少ない結果でした。自社独自の項目を追加できるかどうかは、導入直後は気になりませんが、運用を始めると必ず出てきます。業種特有の情報、社内の管理番号、独自のステータスなど。
この軸が空欄の製品は、決められた項目の中で運用することになります。備考欄に書き込む運用で回すこともできますが、その情報では絞り込みも集計もできません。3年使う想定なら、確認しておく価値のある軸です。
比較の進め方
- 誰が何を見るかを決める。営業だけか、サポートや経理も見るのか。複数部署なら権限管理(33製品)が要ります。
- メール配信に何を期待するか決める。お知らせの一斉配信で足りるのか、育成まで要るのか。
- 独自項目の必要性を洗い出す。いま Excel で管理している列を見れば、必要なカスタム項目が分かります。
- 料金は見積もり前提。CRM は63製品すべてが金額を公開していません。機能で絞ってから、ユーザー数と支援範囲を揃えて見積もりを取ってください。
この記事の集計について
集計対象は、当データベースで公開している397製品です。各製品の公式サイトを確認して記録した値を集計しており、他社の比較記事は参照していません。空欄は「機能がない」ではなく「公式サイトに記述が見つからなかった」という意味です。集計時点は2026年8月です。